仔どもや金貸しや先生や役人や痩せたのも太いのもいつしよくたに
汗や膏や表皮を流す裸のとき
裸の楽しいときをへて さて ふたゝび湯水のなかを産れるとき
豹 縞馬の身のやうな美しい毛皮なし
また候 おれの襯衣 衣裳のなか
おれの型に頭髪 をとゝのへ 髯 眼鏡を貼附なし
「光」などくちに銜へ
立派やかひとりまへに成りすました
ゆくさきは苗字ところ番地のしるされた
祖先が穴居時代なしたやうに
おれの住む家 に這入つていつた
」国書刊行会